本日はアンデシュ・ハンセンさんの『スマホ脳』をご紹介します。
著者のアンデシュ・ハンセンは世界の医学研究の最前線で研究を重ねてきたスウェーデンの精神科医。前作『一流の頭脳』は人口1000万人のスウェーデンで60万部が売れ、その後世界的ベストセラーになっています。名門カロリンスカ医科大学で医学を学び、ストックホルム商科大学でMBA(経営学修士)を取得。
この本はこんな人におすすめ。
「毎日スマホが手放せない」
「スマホが無いと生きていけない」
「でもスマホばかりしていると何か悪い影響がありそう」
本書を読めば、スマホが私たちに及ぼす影響を学べます。スマホを全否定するのではなく、客観的な視点から実際に行われてきた数々の研究結果がまとめられていて、今後スマホとどう付き合うか、うまく付き合えるかであなたの人生が変わります。
最初に本書のまとめ:人間の脳はデジテル社会に適応していない
- 人類は遠い昔、狩猟採集生活を送り、さまざまな危険に囲まれて過ごしてきました。そうした生活に合わせて進化した脳は、実は現代人でも変わらず、現代社会に適応できていないのです。
- スマホやSNSは脳の報酬系を刺激して依存させ、集中力を低下させます。ITの先駆者たちはそのデメリットを認識し、自分や子供のスマホ利用時間を制限していました。
- SNSはむしろ人を孤独にさせます。特に子供のスマホ利用は、自制心の発達に悪影響をもたらすと本書では語られています。
- 睡眠時間を増やし、運動をして、スマホ利用時間を制限することで人間本来の力を発揮できます。スマホの制限が集中力を高め、心の不調を予防する方法でとなります。
人間の脳はデジテル社会に適応していない
世界中でデジタル革新が進み、私たちの生活は非常に便利になりました。
私たちのほとんどがどの時代の王様よりも豊な生活をしていることは間違い無いでしょう。
しかし、ここ10年、心の不調いわゆる自律神経失調症やうつ病の類でクリニックを受診する筆の数は日本に限らず世界中で増加をしています。
さらにその患者の多くが若者を中心としているといいます。
この原因は何か?
実は一気にデジタル化したライフスタイルにその一因があるのでは無いでしょうか?
デジタル化が脳に及ぼす影響、それはとても深刻かもしれません。
本書ではそうしたデジタル化が進んだ現代を生きる私たちがどのような危険に晒されているか、どう対策をしていけばよいかをわかりやすく教えてくれます。
筆者のアンデシュ・ハンセンさんはスウェーデンの精神科医です。
彼によると私たちはここ数十年、かつて無いほど裕福になった反面、GDPが上昇するにつれせいしんかに通う人の数はものすごく増えたというのです。
よい暮らしができるようになったのになぜ不健康な人は増えたのでしょう?
なぜこれほどまでに多くの人が、物質的には恵まれ、今までになく他人と接続しているのに孤独を感じるのでしょうか?
実はこの答えは私たちが生きるデジタル社会にこそありそうです。
私たちが暮らすこの世界、これまでの歴史上の人々が歩んできたどの時代よりも異質なものだということです。
私たちを取り巻く物質的に豊な世界は私たち自身の体の作りにマッチしていない。
私たちの脳が実は環境の変化に適応できていない。
そのため私たちの心は疲弊し、病んでしまうのです。
そのデジタル社会の一翼を担っているものがスマホになります。
私たちがスマホを触りたくなってしまうのは、脳がドーパミンという神経伝達物質を放出するからだと述べられています。
人は原始時代、生きるために必要なものは何よりも多くの情報であり、特に新しい情報に敏感でなくては生き残れませんでした。
その名残が現代のデジタル社会ではSNSで情報を探してしまうという行為に置き換わってしまうのです。
SNSに投稿することで誰かが自分の発言を見てくれるかも、反応をくれるかもと考えてると期待値からドーパミンが放出され、人間を気持ち良くします。
また報酬を獲得した時も気分が上がるかと思いますが、ドーパミンは報酬を得られるかもしれないという期待がきっかけになっています。
このように期待値があることを繰り返すとドーパミンが出る、その行為がスマホでSNSを見るという行為であるならそれこそがあなたがスマホを手放せない理由(スマホ依存)なのです。
本書で述べられるスマホやSNSに依存したときの悪影響は以下の通りです。
SNSに依存しすぎて誰かと繋がりたくて始めたSNSが逆に孤独感を強めてしまう。
手元にあるスマホが気になって、勉強などに集中ができない。
スマホが気になって仕事のペースが遅くなってしまう。
こうしたスマホの悪影響への対策として有効なことは、継続的な運動習慣やスマホを手元から遠ざけることになります。
運動は体にも心にも良い影響を与え、集中力も増加します。
私たちにできることは何でしょうか?
筆者のアドバイスはこうです。
・自分のスマホ利用時間を知り、制御する
・スマホを物理的に遠ざける
・チャットやメールをチェックする時間を決める
・デバイスの画面を白黒にする
・寝る時のスマホの取り扱いに注意する
・ストレスの対処法を知っておく
詳細に興味がある方はぜひ本書を手に取ってみてください。
本書を読めばスマホに依存することの問題点を理解し、読み終えた後、思わずスマホを触らないように気をつける意識が芽生えることでしょう。
常にスマホを触っている方、ぜひ知っておくべき内容ばかりですので、スマホで不健康になりたくない方おすすめです。
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